6話「みんなが、最後に辿りつく場所」
< 5話「俺の病気が、1番大変な件について」王子が驚愕したモノ…!
そして……ついに「アレ」のお出ましだ
ア、アレって……!?
太子は、西の門を出て、あるものを目にした!それで、これまで以上の衝撃を受けた……
さて恒例だけど、太子は何を見たでしょう?
ほら、山下。出番だぞ
いや、もう思いつかねぇって!
あきらめる?
……くっそ!3度目の正直じゃい!
ズバリ!
死体でしょ!
ミステリーじゃん
いいかげんにしろ
うん、それがね、望月くん。間違ってはないんだよ
え!?
太子が、次に出会ったのは……
「死人」だったんだ
し、死人……!
そう。正確には葬式だね
やっぱり、城で死に触れる機会が少なかったんですかね?
そうだね。王子ともあって、死はエンギが悪いから遠ざけられてただろうね
まあ、見たい人はいないですよね……
暗くなるもんな……
僕らも日常生活じゃ、まず死に関わらないよね
たしかに。最近は、家よりも病院で看取ることがほとんどだし。その病院にすらキホン行かないしな
芸能人の訃報を、たまに聞くくらいか……
普段は意識してないけど……すべての人に待ち受けているもの。それが死だ
太子は、その苦しみ、「死苦」を知ったんだね
死は「生きること」と切り離せない
さて、「死」と聞いて、なにか思い出さない?
あ、そういえば、居酒屋でも話しましたね
あ!俺が、友だちのお見舞いに、菊とシクラメン持ってった話?
そこ!?
それくらい死を恐れてるって話だろ!
それとも、あれか!鈴木さんちに、トイレがないっていう……
そこかよ!?
キッチンとトイレに、たとえた話だろ!
お!みんなよく覚えてたね
山下だけは、覚えてられなかったみたいです
脳の容量が5MBしかないので……
誰が5MBだ!
ご飯を思いっきり食べられるのは、そりゃトイレがあるからだよな
山下みたいに、後先考えないと、痛い目みるってことかぁ
その話はやめろって!
え?なにその話
高速道路でしばらくトイレ行けないのに、飲むわ食べるわで、大惨事になったんだよね
お前……(哀れみの目)
過去のことだろ!
まぁ、それはそれとして……
個人的には、飛行機の話もかなり心に残ってますね
ああ、話したねぇ。
人生は、100%墜落する飛行機。だけど、誰も問題にしてない
これ、おかしいよねって。たしかにそうだなって
ファーストクラスでも?
ファーストクラスでも
美女がとなりにいても?
いても!
いたところで、一緒に堕ちるわけだろ?
そんな、マルティーナ……
マルティーナだすな
こういう悲劇がありながらも、目をつむって生きてるわけだね、僕らは
墜落する飛行機なんて思ったら、生きていけないですもん……
でもだからって放置できる問題でもない
その事実を、王子が知ったワケですね
死によって、あらゆる楽しみは崩れてしまう
そして、その「死」を抜きに「生」を考えることはできないんだ
北門での出会いと太子の決意
それでどうしたんです?
そうして、老苦・病苦・死苦を知った太子は、王子という自分の生き方を考え直すようになった
やがては自分も老い、病気になり、死んでいく。はたして、自分は今のまま生きるのでいいのか!?
さらに苦悩してる……
もしかして、王子という立場を捨てたんじゃ
そう。太子は、この後出家した。王子という地位や名誉を捨ててね。
そのきっかけは、北門での出会いで……
!
おっと、もういい時間だね
あれ、ホントだ
日またいじゃってるじゃん!
はやっ
うん、続きはまた今度にしようか
古典を読むのも、一朝一夕とはいかないからね
こんな夜遅くまで、すみません
あ、鈴木さん、今度また飲みましょーよ!
あ、いいね。
いつもの居酒屋で!
それはぜひ。じゃあ近いうちに行こうか
(つづく)
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