望月「おつかれ〜」
田中「授業はじまったね〜」
山下「後期は単位のこと気にして授業取るから、つまんねーのも多いわ〜」
さてさて今回は連載10回目「3匹の毒竜」についてです。
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🔻前回の記事はこちら🔻
前回までのあらすじ
断崖絶壁に追い込まれた旅人は
猛虎から逃れるため
目の前の松の木から垂れる1本の藤ヅルにすがりついた。
九死に一生を得たが、2匹のネズミがツルを噛み続ける。
そして下には……
足下の深海には、青・赤・黒の3匹の毒竜が大きな口を開け、
旅人が落ちるのを待ちかまえていた
「自業自得」という四字熟語から、過去も今も未来も自分が受ける結果はすべて自分の行いが作ったものだと話したね。
だから死後も、自分の行いが作った世界に飛び込むことになる。
その世界がなぜ苦しい世界になるのか、それは毒竜のせいなんだって。
3匹の毒竜とは
3匹の毒竜…これは「三毒の煩悩」をたとえているんだ。
煩悩は文字通り、俺たちを常に煩わせ悩ませるもので、人ひとりに108あるってのは有名だよね。
大晦日に除夜の鐘を108回つくのも、ここに由来してる。
行いにも色々あるけど、中でも重視されるのは心の行い。
心の行いの中でも、特に恐ろしいのが「欲」「怒り」「愚痴」の3つの煩悩。
これを三毒の煩悩と言っているんだ。
それぞれ青・赤・黒の竜にたとえられている。
「欲」「怒り」「愚痴」で作る悪とは何なのか。
順番に見ていこう。
青い竜とは
青い竜は、欲のこと。
なぜ青なのか、欲にはどんな特徴があるのかを知ると納得できるよ。
欲は無限
特徴の1つ目は、欲は無限であること。
欲しい欲しいと際限のない「欲の心」は、深くなるほど青くなる海のように深いので「青い龍」にたとえられているんだ。
欲にも種類があって、今回は五欲を紹介するね。
欲の中でも一番強いものに、俺たちは引っ張られるんだ。
睡眠欲が勝てば自主休講するし、財欲よりも名誉欲が勝てばスマホゲームに課金して武器を強化する。
名誉欲でダイエットを始めたけど、途中食欲に負けて二郎系ラーメンを爆食いする。
欲の本性は「我利我利」
特徴の2つ目は、欲の本性は我利我利(がりがり)だということ。
余裕のある時は他人のことも考えられるけど、追い詰められると本性が顔を出してくる。
我利我利とは文字通り、自分の利益しか考えず、周りはどうなってもいいという心。
マンガ記事でも紹介してるから見てみてね!
お金が欲しい、物が欲しい、褒められたい、認められたい、もっともっと…
欲を満たすのに他人が邪魔になると「あいつさえいなければ」「こいつさえ消えてくれたら……」って気持ちが起きてくる。
その心が元で、言ってはならないことを言って人間関係を壊してしまうこともある。
名誉を欲する心、異性を求める心、生活を便利にしたいという欲求があってこそ、世の中が進歩、発展、向上し、人類が栄えてきたのは事実だよね。
一方で、俺たちは欲に振り回されて、悩んだり苦んだりすることもあるんじゃないかな。
赤い竜とは
赤い竜は、怒りの心のこと。
なぜ赤なのか、なぜ怒りの心が起こるのか見ていこう。
欲が妨げられると出てくるもの
欲が妨げられると出てくるのが怒りの心なんだ。
「あいつのせいで」「こいつのせいで」と怒りの炎が燃え上がり、自分も相手も焼き払うので、赤い竜にたとえられている。
怒りは無謀に始まり後悔に終わる
怒りの恐ろしい点は、最後には後悔するってこと。
怒っているその瞬間は何の迷いもないけど、終わって見ればあとの祭り。
「何であんなことしてしまったんだろう…。」
後悔の念が胸いっぱいに広がってくるんだ。
怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わる。
ピタゴラス
怒りの奴隷になり、相手を傷つけ、最終的には悔やみ苦しんでいるのが俺たちってことだよね。
マンガ記事にも詳しく書いてあるから、読んでみてね。
黒い竜とは
黒い竜は、愚痴の心のこと。
なぜ黒なのか、愚痴がどんな心なのかを知ると納得できるよ。
愚痴とは醜い心
愚痴の心は平たく言うと「ねたみ」「そねみ」「うらみ」の心のことなんだ。
他人の幸せを不快におもい、不幸になった話をきくと楽しくなる汚く醜い心だから、「黒い竜」にたとえられている。
具体的には
- 勝るをねたむ心
自分より勉強できる、モテる、運動ができる、人気がある…etc.
挙げればキリがないよね。
相手が優れていることを苦々しく思う心、あるなぁ…
- 他人の不幸を喜ぶ心
入試に失敗したと聞けば「元気出せよ」と慰めながらも、どこか楽しんでいる心。
就職でうまくいかない同期の話を聞いて安心する心、これもあるなぁ…
とても人には見せられない醜い心だから、黒い竜なんだね。
詳しい内容は、マンガ記事でチェックしてね。
心にうずまく煩悩
俺たちの心には常に欲・怒り・愚痴がうごめいている。
こんな心を三匹の毒竜にたとえている。
みんな、この心に悩まされているんだ。
自分の行いが作った世界に飛び込むって、話したよね。
心の行いも考慮すると、中々に恐ろしい世界になりそうだな…
麻痺した旅人
いよいよ寓話も終わりに近づいてきたね。
上には虎、下には3匹の竜、すがっている藤ヅルをかじるネズミ。
絶体絶命の窮地にありながら、旅人は笑顔でハチミツをなめているんだ。
旅人を夢中にさせる「ハチミツ」とは一体何をたとえているのか?
次回、寓話の最終回です。
じゃあ、またね!